赤ちゃんのワクチンが2種類登場しました。

その1.ヒブワクチン

重症化しやすい乳幼児のヒブ髄膜炎予防に高い有用性を持つワクチンです。

インフルエンザ菌b型(Hib)感染による乳幼児の細菌性髄膜炎は、初期診断や治療が難しいためワクチンの必要性が望まれていました。

1980年代後半、すでに欧米では予防ワクチンの導入がされ、特にアメリカでは、このワクチンによる定期予防接種の導入により、Hib罹患率が100分の1にまで減少した実績をあげました。

1998年、世界保健機構(WHO)がHibワクチンの乳児への定期接種を推奨したことから、現在では100カ国以上で使用されるようになり、世界的に見ればHib感染症はまれな疾患となっています。しかし、我が国では承認が遅れ、2007年1月に製造承認を取得、やっと発売に至りました。

このワクチンはフランスからの輸入となるため、各医療機関には個別の割り当てになります。予約されてからの手配となりなすので当院にワクチンが入荷しだいご連絡いたします。

予約は当院受付でのみとなります。お電話での予約は受け付けていません。詳しくは当院までお気軽にお問い合わせください。

接種時期と回数

3ヶ月〜7ヶ月の乳幼児の場合

DPT3種混合と同じように初回3回、その後1年あけての追加1回の計4回。DPTと同時に接種するのがよいでしょう。

7ヶ月〜12ヶ月の乳幼児の場合

初回2回、その後1年あけての追加1回、計3回。

1歳〜5歳未満の場合

1回のみ。

5歳以上の場合

接種の必要はありません。

その2.肺炎球菌ワクチン

細菌性髄膜炎、菌血症などの侵襲性肺炎球菌感染症を予防する国内初の小児用肺炎球菌結合型ワクチンです。

肺炎球菌は、子どもの細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、中耳炎などの主要な原因菌の一つで、WHOによると、世界では肺炎球菌感染症により毎年約100万人の乳幼児が死亡しています。2007年にはWHOよりすべての国において小児用肺炎球菌結合型ワクチンを定期接種に優先的に導入するよう、推奨が出されています。

日本国内においても肺炎球菌は、インフルエンザ菌(おもにb型)とならび小児期の重症感染症の主要な原因菌であり、抗菌薬に対する耐性をもつ耐性菌が増加していることから、ワクチンによる予防がきわめて重要視されています。

2000年からこのワクチンを小児期の定期接種として導入したアメリカでは、導入前と比較し、侵襲性肺炎球菌感染症の発症頻度が5歳未満で98%減少したことが報告されています。

このワクチンは、2歳未満のお子さんでも十分な免疫がつくように開発された画期的なワクチンです。小児における侵襲性肺炎球菌感染症の重症度や耐性化の問題を考えると、ワクチンで子どもたちを肺炎球菌から守ることが大変重要です。海外ではすでに10年に及ぶ臨床経験を有し、3億万本が投与され、多くの国々で標準的に接種されています。

また、定期接種として導入した米国などでは、間接的な効果として、高齢者においても侵襲性肺炎球菌感染症の発症頻度の低下が報告されています。

接種時期と回数

生後2〜6ヶ月で始めた場合

生後2〜6ヶ月に1回目、4週間以上あけて2回目。4週間以上あけて3回目、8週間以上あけて計4回目。

生後7〜11ヶ月で始めた場合

生後7〜11ヶ月に1回目、4週間以上あけて2回目。8週間以上あけて計3回目。

1歳で始めた場合

1歳に1回目、8週間以上あけて2回目。

2〜9歳で始めた場合

1回接種のみ。